甲状腺の働きを知る
甲状腺の病気 - 悪性結節
未分化癌
これまで解説してきた乳頭癌や濾胞癌は、癌の細胞が分裂して成長しきった癌です。これら成熟した癌のことを「分化癌」といいます。分化癌は成長しきった癌のため進行する速度も遅く他の箇所に転移することも少ないので、癌の中ではたちの良い方なのですが、これとは逆にまだ成熟していない「未分化癌」というのも存在します。
未分化癌は甲状腺にできる癌の中でも最もまれな癌で、髄様癌よりもさらに発症率の低い癌なのですが、死亡する率は逆に最も高く、発症が確認されてから5割の人が半年以内に死亡するといわれています。
またどんなに最善の治療を行っても発症後1年以上生存できる確率は非常に低く、そもそも確実に治る治療法自体確立されていません。加えて甲状腺だけでなく他の箇所に転移する、それどころか見つかった時点ですでに転移しているということも多いため、間違いなく甲状腺にできる癌の中で最もたちの悪いものだといえます。
ここまでたちが悪い理由はその成長速度にあります。未分化癌は未分化、つまり成長しきっていないため常に成長しようとするのですが、その成長速度は27時間で倍の大きさになるといわれます。一般的に進行が早いといわれる肺癌でさえも、その倍加する速度は1か月程度といわれているところからも、未分化がんの成長速度の桁違いぶりがうかがえるでしょう。
未分化癌は他の甲状腺の癌に比べて男女の発症率の差はあまり無く男性1に対して女性2ほどで、年齢でいえば50代、60代の人に発症することが多いです。とにかく非常に恐ろしい癌なので、他の癌の比ではないくらい早期発見すること、そして諦めずに治療を試みることが大切とされています。