甲状腺の働きを知る
甲状腺の病気 - 悪性結節
髄様癌
乳頭癌や濾胞癌は、甲状腺の中でも甲状腺ホルモンを作り出す細胞に作られる癌でしたが、それら甲状腺の濾胞にではなく、濾胞の間にある濾胞傍細胞、別名C細胞にできる癌が「髄様癌」です。髄様癌は甲状腺にできる癌の中で乳頭癌、濾胞癌に続いて3番目に発症率の高い癌です。
とはいえここまで来ると発症率は1割にも満たないもので、非常にまれかつ珍しい癌といえます。これも乳頭癌と同じく男性よりも女性に多く発症し、発症年齢は30~50代が多いです。
濾胞傍細胞にできるということで、髄様癌かどうかを診断するには濾胞傍細胞から分泌されるホルモンであるカルシトニンの量を調べます。髄様癌ができるとカルシトニンの分泌量が過剰になるため、そこで発症したかどうかを判断するというわけです。
髄様癌の特徴として、発症原因に遺伝が絡むということがあります。髄様癌の発症原因の7~8割は「散発性」、または「孤発性」という遺伝に関係ないものですが、残りの2~3割は遺伝によるもので、「多発性内分泌腫瘍症(MEN)」、さらにその中の「2型」と呼ばれるものです。多発性内分泌腫瘍症とはいくつかの内分泌器、または内分泌器ではない臓器に良性、悪性の腫瘍が多発する症候群のことで、2型の場合この髄様癌を含み、「副腎褐色細胞腫」や「副甲状腺機能亢進症」等を同時に発症します。
また遺伝性でありながら髄様癌だけ発症する場合は多発性内分泌腫瘍症2型ではなく、「家族性髄様癌」と区別して呼ばれます。この髄様癌の治療を行う場合、散発性は甲状腺の中でも腫瘍のある方だけ切除しますが、遺伝性の場合は再発の可能性があるので甲状腺を全部切除します。