甲状腺の働きを知る
甲状腺の病気 - 甲状腺機能低下症
粘液水腫
ここまでで解説を行ってきた通り、甲状腺機能低下症とは甲状腺の機能が低下し、甲状腺ホルモンの分泌が行われにくくなることによって身体に色々な影響が出る症状です。その中の1つに「浮腫」、一般的に言われるところの「むくみ」があります。
甲状腺ホルモンの分泌低下によって身体の代謝機能が落ち込むことにより、体内の水分が代謝されずにあちこちに溜まることによってこのむくみは起こるのですが、そのむくみが重症となったのが「粘液水腫」です。
この粘液水腫は水分の代わりに「ムコ多糖類」という粘液が溜まり、むくんだ箇所を指で押してもへこみが出来ず、通常のむくみと比べて弾力性があるという特徴を持っています。声帯や喉がむくんで声がしわがれる、舌がむくんでろれつが回らなくなるなど、粘液水腫になると身体のあちこちに影響が出ます。
その中でも、瞼や唇が腫れたり頬がたれたりして顔全体にむくみが現れ、無気力さを醸し出すような表情になることを「粘液水腫顔貌」といいます。これだけならまだいいかもしれませんが、このような甲状腺の機能低下に対して、治療を行わずにそのまま放置していたり、治療を途中でやめたりしてしまうと意識の低下を招いてしまいます。
代謝の低下による低体温も相まって脳の機能も低下し、最終的には呼吸困難による死亡も起こり得ます。これは「粘液水腫性昏睡」という甲状腺機能低下症の最悪のパターンです。ただ、これは甲状腺ホルモン剤を医師に処方された量をしっかり服用する等ちゃんとした治療を行っていれば、発生するのはまれであるといわれています。