甲状腺の働きを知る
甲状腺の病気 - 甲状腺機能低下症
橋本病
甲状腺ホルモンが異常に分泌され、動悸、息切れを起こしたり疲れやすくなったりするのが甲状腺機能亢進症ですが、それとは逆に甲状腺ホルモンの分泌量が少なくなる病気のことを「甲状腺機能低下症」といいます。
この病気になると無気力感に襲われたり、肌が乾燥しやすくなったり、食欲が低下したり、毛髪が抜けやすくなったりするのです。そしてそんな甲状腺機能低下症の代表例といえるのが「橋本病」です。1912年、九州大学の医学者だった「橋本策」という人物が、この病気に関する論文をドイツの医学誌に世界で初めて発表、彼の名前を取って橋本病と名付けられました。
橋本病とは別名「慢性甲状腺炎」といい、その名の通り甲状腺が慢性の炎症を起こしている状態になることです。人間の身体には「免疫」といって、身体の中に入ってくるバイ菌やウイルスといった外敵を倒すための「抗体」を作るはたらきがあります。しかしなぜかこの抗体が自分の身体を攻撃してしまうことがあります。
このような病気のことを「自己免疫病」といいますが、橋本病もこの抗体が甲状腺を攻撃し、炎症を発生させるために起こる自己免疫病の一種です。ちなみにバセドウ病もこの自己免疫病の一種です。
橋本病は20代、30代と40代、50代ではだいたい同じ患者数で、お互い年齢別患者数の約4割を占めています。ですが男女比は女性の方が圧倒的に多く、バセドウ病が男性1で女性4なのに対し、橋本病は男性1で女性が20~30とはるかに上回っています。しかし治療が特に大変ということはなく、「チラーヂンS」という甲状腺ホルモン剤の投与で回復が見込めるといわれています。