甲状腺の働きを知る
甲状腺の病気 - 甲状腺機能亢進症
無痛性甲状腺炎
前項の「亜急性甲状腺炎」とは反対に、甲状腺が炎症を起こしても痛みが発生しないのが「無痛性甲状腺炎」です。症状も痛みや熱が出ない以外では亜急性甲状腺炎とほとんど変わらず、甲状腺の組織が破壊されることによって、その中に蓄えられていた甲状腺ホルモンが血液中に漏れ、動悸などの甲状腺機能亢進症を引き起こします。
症状が比較的軽いことや、眼球突出等の目に関する症状が発生しないのが、同じく無痛性で甲状腺の機能亢進を引き起こすバセドウ病との違いですが、紛らわしいため時に誤診されることがあったといいます。
しかし症状は似ていても治療法は全く異なるため、両者はしっかりと区別する必要があります。バセドウ病と見分けるための最も確実な手段は、甲状腺の「ヨード摂取率」を調べることです。というのもバセドウ病は甲状腺の機能が亢進し、甲状腺ホルモンを大量に作り出そうとするため、甲状腺ホルモンの基となるヨードの摂取量が増すのですが、反対に無痛性甲状腺炎は、甲状腺ホルモンを作り出そうとするのではなく漏れ出していってしまい、その結果ヨードの摂取量が減ることになるため、その差で見分けるのです。
無痛性甲状腺炎は1~2か月ほどで自然に治るため、特に治療等の必要は無く、強い動悸が起こる場合に「ベータ遮断薬」という薬を飲むくらいです。
しかし亜急性甲状腺炎とは違い、一度治っても繰り返し発症することがあるので注意が必要です。またこの病気はバセドウ病の治りかけの状態の時や、女性の場合は出産をきっかけに発症する場合もあります。