甲状腺の働きを知る
副甲状腺と分泌されるホルモン
副甲状腺ホルモン
前項にて少し触れた通り、副甲状腺から分泌される「副甲状腺ホルモン」、またの名を「パラトルモン(PTH)」というホルモンにはカルシウムの調節を行うという役割があります。
カルシウムは、一般的に骨を形成するためにだけ使われるように思われがちですが、心臓を含む身体中の筋肉を収縮させることや血液を固まらせること、さらには脳細胞を働かせるためなど、様々な用途に使われます。
そのため血液中のカルシウム濃度が不足した場合、パラトルモンは人間の身体の中で普段最もカルシウムが存在する骨の中に目をつけ、「破骨細胞」を間接的に刺激、それと同時に骨の形成を行う「骨芽細胞」の活動を抑えることによって「骨吸収」を促進させます。そうすることによって血液中のカルシウム濃度を上昇させるのです。また腎臓においては、「尿細管」と呼ばれる箇所に働きかけることによって、パラトルモンと同じくカルシウム濃度を高める作用のある「ビタミンD」の活性化を促します。
パラトルモン分泌の調節を行っているのは血液中のカルシウム濃度です。カルシウム濃度が減少すればパラトルモンの分泌は促進され、逆にカルシウム濃度が増加すればパラトルモンの分泌は抑制されます。
これは、以前解説した「カルシトニン」とは全く逆のはたらきです。つまりこのパラトルモンとカルシトニンという2つのホルモン、そのお互いの力が拮抗することによって、人間の血液内のカルシウム濃度、そして骨内のカルシウム値も正常に保たれるという仕組みになっているのです。