甲状腺の働きを知る
甲状腺の病気の治療
薬による治療
甲状腺の治療で、一番手軽だと思われるのが薬による治療です。橋本病のように、有効な治療手段がそもそも薬によるものぐらいしか無いものもあります。それら主に甲状腺機能低下症の治療に使われる薬が「甲状腺ホルモン剤」で、代表的なものに「チラーヂンS」、「チロナミン」、「チラーヂン末」の3つがあります。
チラーヂンSは合成のサイロキシン(T4)製剤で、「血中半減期」という血液中の薬の濃度が半分になる期間、要は薬の効果が続く期間が約7日と長く、ゆっくり長期間効くのが特徴です。チロナミンは合成のトリヨードサイロニン(T3)製剤で、こちらはチラーヂンとは異なり即効性がありますが、その分血中半減期は約1日と短いのが特徴です。
チラーヂン末は主にウシやブタ等の甲状腺を原料とするもので、粉末なので投与量の微調整がききやすいのが特徴です。いずれも一緒に服用すると効果に障害の出る薬があります。特に貧血用の薬である鉄剤や、制酸効果のある胃腸薬、高コレステロール血症に用いられるコレスチラミン等を服用する時には注意が必要です。
一方バセドウ病をはじめとする甲状腺機能亢進症に用いられるのが、甲状腺のはたらきを抑える「抗甲状腺薬」です。代表的なのは「メルカゾール」と「チウラジール」の2つで、服用すれば1か月ほど、遅くとも3~4か月ほどで甲状腺ホルモンの値が正常になります。
しかし前項でも少し触れた通り副作用があり、皮疹、肝臓への障害、「無顆粒球症」という体内のバイ菌を倒す顆粒球という細胞が無くなってしまう等、与える影響の小さいものから大きいものまで様々な副作用があります。