甲状腺の働きを知る
甲状腺の病気の治療
アイソトープ治療
甲状腺の病気、その中でもバセドウ病の治療に用いられる治療方法として、手術、薬以外の最終療法ともいえるものに「アイソトープ(放射性ヨード)治療」があります。既に解説した通り、甲状腺は食物等によって体内に入ってきたヨード(ヨウ素)を取り込み、それを基にして甲状腺ホルモンを生み出しています。
それは放射性のヨードだろうと何だろうと関係無く、アイソトープ治療はその性質を利用して行われます。方法としては、放射性ヨードの入ったカプセルを口にするだけというシンプルなもので、そうすることによって甲状腺に取り込まれた放射性ヨードが甲状腺の組織を破壊、甲状腺が小さく縮む結果、甲状腺機能亢進症が治療されるというものです。
放射性ヨードというのは一種の放射能物質なので、身体の中に取り込むなんてことをしたら癌になったり、白血病になったりするのではないかと思われることもありますが、この治療法が始まってから約60年、その間多くの研究が行われましたが、甲状腺の癌や白血病が増えたという報告はされておらず、アメリカでは現在最も安全なバセドウ病の治療法として、9割の患者がこのアイソトープ治療を受けるといわれています。
ただし、これもまた全ての人が容易に受けられるというものではなく、妊娠、授乳中の女性やバセドウ病による眼球突出の症状が出ている人は受けられず、受けるにしても1週間ほど前からヨードの含まれる食物や薬を制限しなければなりません。
また放射性ヨードの取り扱いにはそれなりの設備が必要なため、治療が受けられる病院は制限されるという難点もあります。